授業概要 |
前近代の「海域」は、人の移動、モノや文化の交流上、どのような役割を果たしたか。ユーラシア大陸の東と南を縁取るアジアの海は「隔ての機能」だけでなく、一つの全体として機能する交流媒体「海域世界」として位置付けることで、陸域の歴史を相対化することが可能ではないか。以上の点について考察し、イスラームの歴史を再検討することを学びます。 |
課題?評価 |
授業では、日本語?英語?仏語による関連の史料や論文についても講読する。 |
テキスト |
家島彦一『海域から見た歴史-インド洋と地中海を結ぶ交流史』(名古屋大学出版会) |
参考文献 |
家島彦一『イスラム世界の成立と国際商業』岩波書店、1991。 |
受講生への要望 |
関連史料を積極的に調べ、質問?討議を重ねることで、理解を深めたい。 |
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授業計画 |
本講座では、7世紀前半から17世紀までのイスラーム世界の歴史について、「狭い地域」や「陸域」の歴史ではなく、「海域史」という新しい視点から考えてみたい。ペルシャ湾岸、東アフリカ海岸、インド、東南アジア島嶼部や中国南部などの「歴史的インド洋海域」(アジア海域)には、現在、5億人近いイスラーム教徒たちが居住している。では、彼らは、いつ、どのような理由で、イスラーム化し、どのような社会?文化?歴史を築いたか。前近代において、人の移動や、モノ?文化の交流の舞台として、「海域」はどのような役割を果たしたか。以上のような、いわば「もう一つのアジア史」「隠れたイスラーム世界の歴史」を明らかにすることで、現在におけ | | |